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中国製土鍋:鉛検出、全国に2万個流通

中国製土鍋:鉛検出、全国に2万個流通

中国製土鍋:鉛検出、全国に2万個流通_f0056304_10165196.jpg土鍋の縁の内側に付いた灰色の付着物(円内の灰色部分)から鉛が検出された

 札幌市で販売された中国製の土鍋から調理中に鉛やカドミウムが漏れ出し、鍋を輸入した新潟県の陶磁器業者が在庫として残っていた300個を自主回収していたことが24日分かった。しかし、問題の鍋は04年から今年2月までに2万2000個輸入されており、ほとんどが全国に出回ったまま。鉛を摂取しすぎた場合、筋肉の衰弱、脳や腎機能の障害などの被害につながる恐れがあるが、明確な法律違反ではないため回収命令は出せないというのが札幌市や新潟県の見解。購入した同市の男性(47)は「知らずに鉛を口にしている人がいるわけで、放置は許されない」と憤る。

 鍋を輸入していたのは新潟県弥彦村の「ホリシン」(堀内哲雄社長)。札幌の男性が今年1月13日、鍋を同市東区の量販店「ニトリ新道店」で購入、湯豆腐を作って食べた。さらに同26日、鶏肉を1時間煮込んでふたを開けると鍋の縁の内側にべったりと灰色の付着物が張り付き、水面にも浮いていた。購入した量販店に検査を求めたところ、鉛やカドミウムを検出。鉛は食品衛生法に基づく告示基準の17マイクログラム(容器面積1平方センチメートルあたり)を上回る43マイクログラムだったが、未使用の鍋による再検査では基準値を下回り、量販店は問題はないと回答した。

 このため男性は2月、道立消費生活センターに調査を依頼。同センターが同じ中国製土鍋を取り寄せ1日約4時間、2日間にわたって水を沸騰させた結果、縁のうわぐすりを塗った部分から灰色の付着物が流出。蛍光X線検査で付着物表面の約40%が鉛と確認された。

 しかし、2日間にわたる煮沸は法定検査になく、これに基づく回収命令は出せない。同センターはホリシンが所在する新潟県生活衛生課に通報。同課も検査をしたが、法定検査では違反がみつからなかった。ただ、ホリシンにも同様の苦情が3件寄せられていたことから在庫を自主回収。同課はホリシンに原因の究明を求めている。

 ホリシンの片岡一義相談役は毎日新聞の取材に対し、未回収の鍋の販売先について「分からない」と答え、「自主検査もしたが基準を満たしており、既に販売された分の回収は考えていない。現在、納入業者に原因を調べさせている」と語った。【岸本悠】

2007年5月25日 毎日新聞



輸入土鍋:鉛・カドミウム漏れ 中国製、全国に2万個

 札幌市で販売された中国製の土鍋から調理中に鉛やカドミウムが漏れ出し、鍋を輸入した新潟県の陶磁器業者が在庫として残っていた300個を自主回収していたことが24日分かった。しかし、問題の鍋は04年から今年2月までに2万2000個輸入されており、全国に出回ったまま。鉛を摂取しすぎた場合、筋肉の衰弱、脳や腎機能の障害などの被害につながる恐れがあるが、明確な法律違反ではないため回収命令は出せないというのが札幌市や新潟県の見解。購入した同市の男性(47)は「知らずに鉛を口にしている人がいるわけで、放置は許されない」と憤る。

 鍋を輸入していたのは新潟県弥彦村の「ホリシン」(堀内哲雄社長)。札幌の男性が今年1月13日、鍋を同市の量販店「ニトリ新道店」で購入、湯豆腐を作って食べた。さらに同26日、鶏肉を1時間煮込んでふたを開けると鍋の縁の内側にべったりと灰色の付着物が張り付き、水面にも浮いていた。購入した量販店に検査を求めたところ、鉛やカドミウムを検出。鉛は食品衛生法に基づく告示基準の17マイクログラム(容器面積1平方センチあたり)を上回る43マイクログラムだったが、未使用の鍋による再検査では基準値を下回り、量販店は問題はないと回答した。

 このため男性は2月、道立消費生活センターに調査を依頼。同センターが同じ中国製土鍋を取り寄せて1日約4時間、2日間にわたって水を沸騰させた結果、縁のうわぐすりを塗った部分から灰色の付着物が流出。蛍光X線検査で付着物表面の約40%が鉛と確認された。

 しかし2日間にわたる煮沸は法定検査になく、これに基づく回収命令は出せない。同センターはホリシンが所在する新潟県に通報。同県では、所管する三条保健所が酢酸の4%水溶液を同タイプの鍋に満たして24時間置き、溶け出た鉛の量を調べる法定検査を実施した。しかし、結果は食品衛生法で定められた水溶液1ミリリットル当たり2.5マイクログラムを下回る同1.3マイクログラムだったため、同県は「この種類の鍋は問題ない」との結論に達したという。ただ、ホリシンにも苦情が3件寄せられていたことから在庫を自主回収。同課はホリシンに原因の究明を求めている。ホリシンの片岡一義相談役は毎日新聞の取材に対し、未回収の鍋の販売先について「分からない」と答え、「基準を満たしており、販売された分の回収は考えていない」と語った。【岸本悠】

 ▽NPO法人日本消費者連盟の富山洋子代表運営委員の話 うわぐすりを塗った後に陶器をしっかり焼いていない可能性もあり、(中国で)どのように製造されたのか確かめる必要がある。過去には中国製電気ストーブの塗料が熱で溶け、有害物質が発生した事例もあった。食品衛生法の定める検査は手順にすぎず、抜け穴があるとわかればすぐに埋めてカバーするのが厚生労働省と地方行政の役割だ。メーカーや小売店にも責任はあり、製品に問題があると分かった時点で製造・販売を中止し、製品を回収すべきだ。

 【ことば】うわぐすり 陶磁器に使用される着色顔料やうわぐすりには、有害金属である鉛やカドミウムを含むものがある。焼成温度が低いと、これらが溶出する恐れがある。鉛は安価なうえ、低い温度で焼いても光沢を得られるので、古くから使用されてきた。だが、毒性が強いため、溶出防止の研究は国内各地の研究所や企業で行われているという。

毎日新聞 2007年5月25日 3時00分
by hazuki-k-cat | 2007-05-30 10:18


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